Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate

Aozora Bunko

に手っ取り早く、首根っ子をおっぴねくってしまうやつもある。道庵なんぞは、その手っ取り早いやつで、すんでのことにやらかされようとしたのを助かって、今日この通りの太平楽という廻り合わせなんだ、何が幸いになるか知れたもんじゃあねえ」

こういうことを、聞かれもしないのにべらべらと喋って、曝さないでもいいおふくろと自分の恥を曝してしまったのも、酒のせいでもあり、相手が相手だから、無難だとも見たからでもあると思われます。

本来、道庵先生、道庵先生で通っているが、未だに誰も、その出所来歴を知った者はなく、自分も江戸ッ子だと言って啖呵は切るけれど、いったい江戸のどこで生れたんだか、その本姓も、本名も、年齢も、知った者はない。大菩薩峠発表以来三十年にもなんなんとするけれど、未だ曾て、道庵先生の身寄りだと言って、訪ねて来た人も一人も無いでしょう。

それほど、出所来歴の不明な道庵先生が、このままにして置けば、出所来歴の不明そのものが、やがて神秘的に衣をかけられて、勿体もつけば箔も附くべきものを、よしないところで、言わでものことに口を辷らせ、曝さでもの恥を曝すことになったのも浅ましい次第ですが、しかし、この告白もかなり割引をして聞かないと、前の落し話同様、思わぬところで種がばれ、底が割れないという限りはありません。