Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
するようにさしていると、その椅子へ納まり返って、洋皿や匙を使う手つきが、もはや相当に堂に入っている。
この新客が席につくと、今まで会話に酣わであった士分と、商人と、それから洋人男女と、その他の者が一時みな、お絹の洋装の方に目をつけました。ところがこの女は、一向わるびれないのみか、むしろ場慣れのした愛嬌をふりまいて会釈をすると――
「マダム・シルク、ヨク似合ウコトアリマス」
大商人の隣席にいた赤髯が、片言の日本語でほめました。
「有難うございます、手妻使いのようには見えませんか」
「イヤ、ソウデナイデス、立派ナ西洋貴婦人アリマス」
こういう問答で、一座がにわかに春めいてきたが、主膳の苦々しさったらない。
うんとお絹の横顔を睨みつけると、例の乳白色の少し萎えてはいるが、魅力のある白い頬に、白粉をこってりとつけている。
「マダム・シルク、アナタ日本ノ宝デアリマス、日本ノ富デアリマス」
赤髯が主膳の苦りきるのとは打って変って、お絹が現われてからにわかに陽気になりました。
シルク、シルクと頻りに言うが、シルクという言葉は、さいぜん、あの士分と商人との二人の口からも出たようだ。