Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
そう思って右の一点の鳥影から眼をはなすことではありませんでしたが、その鳥は次第次第に近づいて来て、お雪ちゃんの館の上へ来ると、姿が見えなくなりました。
お雪ちゃんにとっては、その大きな鳥は、今し、あの湖水のあちら側の比良ヶ岳から来て、そうして、自分のいるこの裏山の胆吹まで、ほとんど一息に飛んで来たように思われないではありません。
鳥の姿は、こうしてお雪ちゃんの頭上から胆吹の山に向って消えてしまったが、それはそれとして、なお山水の大景に見惚れていると、不意にまた頭上で、バサと大きな物音がしたのに驚かされました。頭上とは言うけれども、この館の屋根の上よりも高いところです。この屋根の上からピークへかけて押被さったように、枝をひろげた大きな松の木がありました。それは何百年という松の木で、直ぐこの庭の中央に根を張っているのですが、幹がすっくと太く高くて、枝が上空に一むらをしているものですから、遠く望めば霊芝の如く、車蓋の如く、庭へ出てみると、その高い枝ぶりは気持がいいのですが、この室内では盤崛している太い幹と根元を見るだけで、枝葉は見えないのです。
頭上の物音というのは、この大きな松の上からバサと起りました。