Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
まさか、これだけの距離があって、そうして物蔭にいて、彼等に見咎められようはずはないのだが、現にこちらを目指して仏頂寺がズンズンと叢を分けてやって来るから、兵馬も動揺しないわけにはゆかないでいると、
「どうしましょう、どうしましょう……あら、仏頂寺の奴、こっちをあんな眼つきをして睨めていますよ、たしかに見つかっちまったのよ」
と言って、福松は兵馬にしがみつきました。
「まさか!」
しかし、いよいよ感づかれて、見つけられたとなったらその時のことだ! 兵馬も腹を決めていると、
「今度は見捨てちゃいやよ、宇津木さん! わたし仏頂寺に引渡されるのは、もう御免よ」
と言って、福松はぐんぐんと押しつけて来るものだから、兵馬は、たじたじと後ろの樅の木に押しつけられてしまいました。
この女として、恐怖は恐怖に相違あるまいけれど、これは必要以上に押しつけて来るとしか思われない。兵馬はその必要以上に押しつけて来る女の体をもてあまし気味で、
「あの連中、まだこんなところをうろうろしている、仏頂寺の故郷というのが越中の富山在にあって、あちらの方へ行くと言っていたが、今時分、何の必要あってこの辺をまだうろうろしているのか、解せないことだ」