Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
を贏ち得たということは、このたびの著しい経験でありました。
さて、この船出の写真絵を見ると、諸人が皆、祈っている。日頃、金椎がするように、小舟の中に行く人も、岸に立って送る人も、みな祈っている。
彼処にかかっている親船こそ、例の五月号に相違ないのであります。そうしてこれらの諸人は、五月号に乗込んで、まさに海洋に乗り出さんとする人と、これを送るの人であることも争われません。いったい、船というものは、五月号にあれ、無名丸にあれ、今まで駒井の見た眼では、単に一つの構造物だけのものでありました。船の図を見ると、この船は何式で、何噸ぐらいで、どの時代、どの国の建造にかかっているかということのみが主となりました。従って、船の航海力にしても、これが石炭を焚いた場合、どのくらい走り、帆をあげてからどの程度走るというような計数ばかり考えさせられていましたが、今晩は船というものが、大きな人格として、脈を打ち、肉をつけ、血を湛えている存在物のように見え出してきました。
駒井が読み耽ったこの物語は、前の米国史の頁を、もう少し細かく、温かく、滋味豊かに敷衍してくれたといってもよい物語でありました。