Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
同時に健斎の家は、田辺でも代々旧家の方で、相当の貫禄があるのだから、伊太夫に招かれたからと言って、そう安々とは出て来られないはずだが、病人ありと聞いては、職業柄、猶予はできないで、駈けつけて来たというのは、聞える道理だが、そのくらいなら、ナゼ道庵に頼まない! という不服が、道庵の胸三寸に、ちょっと、つむじを捲かせました。そうして不服を包んでいる道庵でないから、忽ちにムキ出してしまって、
「なに、伊太夫に急病人が出来たから、わざわざ田辺まで君を招きに行ったのか。人をばかにしていやがら、つい端近に、この道庵というものが控えているのを知りながら、ほかへ使をやるなんて、胡麻すりのお角もお角じゃねえか」
とこう言いました。道庵の気象を呑込んでいる健斎だから、そんな不服は深くは取上げない。
「いや、それには何か特別の事情があるらしいのでね、近所の医者では都合が悪かったのだろう、実は普通の病人ではないのだ、水死人なのだ、水に溺れた人を、伊太夫殿が湖水から掬い上げて来て、それを一室に匿まい、治療をさせようという次第で、急に僕のことを思い出して使を立てたものらしい」
「ははあ、あいつら、竹生島へ参詣をかこつけて、デモの避難を試みたそうだが、では、その途中、水死人を拾い上げでもして来たものだろう」