Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
それが問題になって、毒水禅師は、あの大寺から辺隅の寺へ隠居、これが出家でなかったら、また世間普通の生臭御前であったなら、なんら問題になりはせんのだが、あの禅師が落ちたということで、修行というものも当てにはならぬものだ、聖道は畢竟魔行に勝てない、あの禅師が、あの歳でさえあれだから、世に清僧というものほど当てにならぬはない――世間の信仰をすっかり落した責めは大きい、人一人に止まらず、僧全体の責任、仏教そのものの信仰にまで動揺を与える、その責めに禅師が自覚して身を引いたのだ。隠居して謹慎謝罪の意を表した、その噂は一時、その方面にパッとひろがって、よけいなお節介は、その娘はどうした、行きどころがなければ、おれがその将来を見てもいいなんぞと、垢つきの希望者もうようよ出たそうだが、本人杳として行方知れず、そのうちふと、この院内に、それらしい女の隠れ姿を見たと言い触らした奴があったが、それもなんらつかまえどころのない蔭口――ところが、現在ただいま、この拙者というものが確実にその正体を掴んでしまった! 嗚呼、これぞ由なきものを見てしまったわい! あんなのは見ない方がよかった! 春信の浮世絵から抜け出したその姿をよ、まさに時の不祥! 七里けっぱい!」