Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

さわがすものがあることを、昏々として眠りながら、うるさいことに苦々しがっている耳もとで、

「モシ、あの、玉が参りませんでしたか。玉や、玉や、またお前、ドコぞへ行きましたか、また人様に失礼なことをしてはなりません、さあ、こちらへおいで、玉や、玉や」

よくまあ、いろいろのものが出て、自分の安静をさまたげることだ、今の猫でケリがついたかと思うと、そのまた猫を探しに来た人間がある、その人間に挨拶をしていた日には、また続いて何が出て来るかわからない。

「猫はおりませんよ」

うつつで、竜之助が言うと、

「あ、左様でございますか、それは失礼を致しました」

「もしや、壁の隅の方を見てごらんなさい、あちらの方にいるかも知れません」

「左様でございますか」

猫をたずぬる主は手燭を点して来ましたが、それをかざして室内を照らそうとしたが、室内が広きに過ぎて光が隈なく届きません、そこで、おもむろに一足、また一足、いずれにも尋ぬる物の体が一目には見出し難いものですから、ややもすれば消えなんとする手燭を袖屏風にして、また一足、また一足、怖い人穴の中へ忍び入るような足どりも、愛するもののため故の勇気で、その愛するものというのが、人でなくして猫であるだけの相違でした。