Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
「へえ――大変なことになりましたな」
「これ、ここへ出ろ、鐚、おれはこう見えても――物の分際ということにはやかましい、痩せても枯れても神尾主膳は神尾主膳だ、鐚は鐚助――三一風情がドコへ行こうと、こっちは知ったことではないが、南面して行くとホザいたその僭越が憎い! おれは忠義道徳を看板にするのは嫌いだが、身知らずの成上り者めには癇癪が破裂する、よこせ!」
と言って神尾主膳は、鐚の油断している手から大事の短冊をもぎ取って、寸々に引裂いて火鉢の中へくべてしまい、
「あっ!」
と驚いて、我知らず火鉢の中をのぞき込む鐚の横っ面を、イヤというほど、
「ピシャリ」
「あっ!」
鐚助、みるみる腫れ上る頬っぺたを押えて、横っ飛びに飛んで玄関から走り出しました。
六十五
ビタをハリ飛ばしておいてからの神尾主膳は、その足で台所へ行って、膳棚の上から備前徳利を一つ取り下ろして振り試みると、まだカタコトと若干の音がする。それをそのまま提げて、次に相馬焼の癖直しの湯呑のようなのを取り下ろし、再び以前の書斎へ戻ってホッと一息つき、その備前徳利から、ちょうど相馬焼に一ぱい分残った残滴を酌んで、咽喉をうるおしながら、以前の書物の丁を追いました。