Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
虚無僧となって歩くことが便利であったからそうしたので、これはその前から流行ったことで、その真似をしていたのに過ぎないのだから、気の向いた時は吹き鳴らし、気の向かぬ時は吹かず、今までも町道場や田舎の豪家で剣術の好きな人の家に一晩二晩の厄介になったことはあるが、まだ路用に事は欠かないし、尺八の流しによって人の報謝を受けたことはなかったのです。それに今こういう取扱いを受けた竜之助は、
「いや、お礼には及び申さぬよ、尺八をお貸し申した代りに、こっちにもちっとお借り申したいものがある、お聞入れ下さるまいか」
「煙草の火でも欲しいのか」
「あの竹刀を一本お借り申したい」
「竹刀を? それは異な望み、虚無僧が竹刀を持って何をする」
「お前の頭を打ってみたい」
ああいけない、こんなことを言い出さねばよかった。ここで堪忍したところが竜之助の器量が下るわけでもあるまい、またこの人々相手に腕立てをしてみたところで、その器量が上るわけでもあるまいに。さりとて竜之助のは、なにも彼等の挙動が癪にさわったから、それで恨みを含んでいる体にも見えません。
思うに武術の庭に入ったために、竹刀を見るにつけ、道具を見るにつけ、その天成の性癖が勃発して、ツイこんなことになったのでしょう。