Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
「今晩は、間の山の玉でございます、有難うございます」
縁側の前で、お玉は正客の若侍の方と、取巻きの連中の方へと御挨拶を申し上げます。
「間の山のお玉か、待ち兼ねていた、さあこれへ」
黒羽二重の若侍は、気軽に座敷へ呼び上げようとすると、お玉は遠慮をして縁より上へは頓に上ろうとも致しません。取巻きの連中もまた、さあこれへ上れということを言いません。
「早う、お玉の席をこしらえてやるがよい、その毛氈を敷いて、見台が要るならば見台を」
お客の方から催促されても、お玉もそれきり上へあがろうともしなければ、取巻連中もまた客から言いつけられたように、席をこしらえてやろうとする気配もなく、眼と眼を見合せておりますから、席がなんとなくテレて参ります。
「いいえ、こちらでよろしゅうございます、こちらの方がよろしゅうございます」
お玉が辞退しますと、それを機会に万のが、
「お玉さんの勝手なのだから、あそこへ敷物を敷いておやり」
「承知致しました」
万のより一段下の仲居は、もうちゃんと心得たもので、薄縁を二枚、押入から取り出して、クルクルと庭へ敷き並べ、その上へ、色のさめた毛氈を一枚、申しわけのように載せて、自分はサッサと座敷へ上って参ります。