Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
十四
十四
ちょうど、その晩のこと、甲州街道を新宿の追分まで上って来た一組の荷馬があります。五頭の馬に、それぞれ荷物を積んで馬方が附添い、最後の一頭のから尻には、三度笠の合羽の宰領が乗っていました。その宰領の背恰好が、どうやら山崎譲に似ているのも道理、声を聞けば、やっぱり山崎譲です。
「おい、久造、おれは、ちょっと思い出したことがあるから、これから内藤の屋敷内へ寄って行かにゃならねえ、お前、御苦労だが、代りに宰領をやってくれ、前の四頭は拘わねえから新宿の問屋場へ抛り込んで、このから尻だけは今夜のうちに、江川の邸へ着けてえんだ、よろしく頼むぜ」
山崎がこう言うと、馬の側にいた屋敷出入りの飛脚らしい五十男が、
「ようございます、たしかに、私が今夜のうちに、新銭座の江川様へ、このお馬だけはお届け申すことにしますから、旦那様、どうかごゆっくりと御用をお足しなさいまし」
快く引受けたから、山崎は馬から飛んで下りて、
「それじゃあ頼む。それ、この笠をかぶりな、合羽も引っかけて行くがいい、この提灯にはそれ、江川の印があるから、消さねえようにして行ってくれ」
「旦那、それには及びますまい、この菅笠で結構ですよ」