Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
米友はワッと泣き出しました。米友が夢を見ることも極めて珍らしいが、泣き出すことはなおさら珍らしいことであります。米友は憤るけれども、泣かない男です。けれどもこの時は、手放しで声を立てて泣きました。
昼のうちに、あれほど打解けて話しておったその人が、まさか今晩は無事に寝ているだろうと思ったのに、もう出かけてしまった。昨夜の疲れと、その安心とで、ぐっすりと寝込んでしまったおれは、なんという不覚だろう。それに、今まで滅多には見たこともない夢なんぞを、なんだって、こんな時に夢なんぞが出て来たんだろう。あんな夢を見ている間に出し抜かれてしまったのだ。
あまりのことに米友も、一時は声を揚げて泣いたけれども、いつまでも泣いている男ではない、雄々しく帯を締め直して、枕許に置いた例の手槍を手に取ってみたが、どうしたものか、急にまた気が折れて、手槍を畳の上へ叩きつけると、自分は、どっかと行燈の下へ坐り込んでしまいました。
「いやだなあ」
米友は苦りきって、行燈の火影に薄ぼんやりした室内を見廻した揚句に、ギックリと眼を留めたそれは、床の間の掛軸です。
「こいつだ、こいつだ、こいつが夢に出て来やがったんだ」