Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
「強い風じゃ、火をつけたらよく燃えるだろう」
「でも、江戸を焼き払うほどの火にはなるまい」
「それは地の利を計らなければ……先年、大楽源太郎と、地の利ではない、火の利を見て歩いたが、彼奴、人の聞く前をも憚らず、今夜はここから火を放けてやろうと、大声で噪がれたのには弱った」
「あれは、そそっかしい男だが、感心に詩吟が旨かった」
「どうだ、ひとつ放けてみようか」
「しかし、つまらん、江戸城の本丸まで届く火でなければ、放けても放け甲斐がごわせぬ、徒らに町人泣かせの火は、放けても放け甲斐がないのみならず、有害無益の火じゃ」
「有害無益の火――世に無害有益の放火というのもあるまいが」
「では、通りがかりの道草に、いたずらをしてみようか」
「地の利と、風の方向を考え、且つ、なるべくは貧民の住居に遠く、富豪の軒を並べたところをえらんで……」
「面白かろう」
さても物騒千万ないたずらごと。この四人の壮士が傍若無人に試みた火つけの相談は、冗談ではなくて本当でありました。それからまもなく、風が強くなるに乗じて、この連中の行手にあたって、日本橋の呉服町のある町家の軒から火の手があがって大騒ぎとなりましたが、それは発見されることが早くて、まもなく揉み消したかと思うと、山下町あたりのある旗本屋敷が、またしても、それ火事よと騒ぎ立てて、これはほとんど