Classici giapponesi con furigana
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てんしゅものがたり
天守物語
泉 鏡花
Leggi 天守物語 (てんしゅものがたり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.593 caratteri · 42 schermate
そのままの形では、金花糖の鯛でさえ、横噛りにはならぬ事よ。
朱の盤 後生らしい事を言うまい、彼岸は過ぎたぞ。――いや、奥方様、この姥が件の舌にて舐めますると、鳥獣も人間も、とろとろと消えて骨ばかりになりますわ。……そりゃこそ、申さぬことではなかった。お土産の顔つきが、時の間に、細長うなりました。なれども、過失の功名、死んで変りました人相が、かえって、もとの面体に戻りました。……姫君も御覧ぜい。
亀姫 (扇子を顔に、透かし見る)ああ、ほんになあ。
侍女等一同、瞬きもせず熟と視る。誰も一口食べたそう。
薄 お前様――あの、皆さんも御覧なさいまし、亀姫様お持たせのこの首は、もし、この姫路の城の殿様の顔に、よく似ているではござんせぬか。
桔梗 真に、瓜二つでございますねえ。
夫人 (打頷く)お亀様、このお土産は、これは、たしか……
亀姫 はい、私が廂を貸す、猪苗代亀ヶ城の主、武田衛門之介の首でございますよ。
夫人 まあ、貴女。(間)私のために、そんな事を。
亀姫 構いません、それに、私がいたしたとは、誰も知りはしませんもの。私が城を出ます時はね、まだこの衛門之介はお妾の膝に凭掛って、酒を飲んでおりました。