Classici giapponesi con furigana
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てんいむほう
天衣無縫
織田 作之助
Leggi 天衣無縫 (てんいむほう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.975 caratteri · 25 schermate
そんな生意気な表現を心に描いたのだった。私はそれまで男の人に好かれた経験はなかった。たとえ仲人口にしろ、何から何まで気に入りましたなんて、言われた経験はなかった。私がその時いくらか心ときめいたとしても、はしたないなぞと言わないでほしい。仲人さんのそのお言葉をきいた晩、更けてから、こっそり寝床で鏡を覗いたからって、嗤わないでほしい。
ところが、何ということだ。その人がお友達に見合いの感想を問われて、語ったことには、――酔っぱらってしまって、どんな顔の女かさっぱり分らなかった。しかし、とにかく見合いをした以上、断るということは相手の心を傷つけることになる。見合いなんか一生のうちに一度すれば良いことだ。だから、ともかく貰うことにした、――それをあとでそのお友達が私に冗談紛れに言って下すった。私は恥かしくて、顔の上に火が走り、それがちらちら心を焼いて、己惚れも自信もすっかり跡形もなくなってしまった。すると、そのお友達はお饒舌の上に随分屁理屈屋さんで、だから奥さん、あなたは幸福ですよ。そして言うことには、僕の知ってる男で、嘘じゃない、六十回見合いをした奴がいます。