Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だざいおさむじょうしこう

太宰治情死考

坂口 安吾

Leggi 太宰治情死考 (だざいおさむじょうしこう) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4715 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

一般の方々にとって、戦争は非常時である。ところが、芸道に於ては、常時に於てその魂は闘い、戦争と共にするものである。

他人や批評家の評価の如きは問題ではない。争いは、もっと深い作家その人の一人の胸の中にある。その魂は嵐自体にほかならない。疑り、絶望し、再起し、決意し、衰微し、奔流する嵐自体が魂である。

然し、問題とするに当らぬという他人の批評の如きものも、決して一般世間の常態ではないのである。

力士は棋士はイノチをかけて勝負をする。それは世間の人々には遊びの対象であり、勝つ者はカッサイされ、負けた者は蔑まれる。

ある魂にとってその必死の場になされたる事柄が、一般世間では遊びの俗な魂によって評価され、蔑まれている。

文士の仕事は、批評家の身すぎ世すぎの俗な魂によって、バナナ売りのバナナの如くに、セリ声面白く、五十銭、三十銭、上級、中級と評価される。

然し、そんなことに一々腹を立てていられない。芸道は、自らのもっと絶対の声によって、裁かれ、苦悩しているものだ。

常時に戦争である芸道の人々が、一般世間の規矩と自ら別な世界にあることは、理解していたゞかねばならぬ。