Classici giapponesi con furigana
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めおとぜんざい
夫婦善哉
織田 作之助
Leggi 夫婦善哉 (めおとぜんざい) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.643 caratteri · 61 schermate
柳吉は三味線の撥で撲られた跡を押えようともせず、ごろごろしていた。
もうこれ以上節約の仕様もなかったが、それでも早くその百円を取り戻さねばならぬと、いろいろに工夫した。商売道具の衣裳も、よほどせっぱ詰れば染替えをするくらいで、あとは季節季節の変り目ごとに質屋での出し入れで何とかやりくりし、呉服屋に物言うのもはばかるほどであったお蔭で、半年経たぬうちにやっと元の額になったのを機会に、いつまでも二階借りしていては人に侮られる、一軒借りて焼芋屋でも何でも良いから商売しようとさっそく柳吉に持ちかけると、「そうやな」気の無い返事だったが、しかし、あくる日から彼は黙々として立ちまわり、高津神社坂下に間口一間、奥行三間半の小さな商売家を借り受け、大工を二日雇い、自分も手伝ってしかるべく改造し、もと勤めていた時の経験と顔とで剃刀問屋から品物の委託をしてもらうと瞬く間に剃刀屋の新店が出来上った。安全剃刀の替刃、耳かき、頭かき、鼻毛抜き、爪切りなどの小物からレザー、ジャッキ、西洋剃刀など商売柄、銭湯帰りの客を当て込むのが第一と店も銭湯の真向いに借りるだけの心くばりも柳吉はしたので、蝶子はしきりに感心し、開店の前日朋輩のヤトナ達が祝いの柱時計をもってやって来ると、「おいでやす」