Classici giapponesi con furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.447 caratteri · 21 schermate
十一代将軍家斉には五十幾人の子がありそれを一人一人大名高家の家柄年頃を選んでは押付け養子や、押付け嫁にしたので、嫌がるのもあり、喜ぶのもあり、当時は大変な評判になりました。が、さすがの家斉も気がさしたものと見えて、晩年の子は藁のうちから手頃な小大名などに預けて育てさせ、其処を親元にして片付けるという術を考えたのです。
五十幾人のこどもは、将軍家斉の濫倫の産物で、中には碌でもないものもありましたが、末の娘の京姫は美しくもあり悧発でもあり、その上少しお侠で勝気で、冒険的な気質さえ持って居りました。
話は嘉永三年の春――鉄砲州の上屋敷の桜がハラハラと散って、築山の草も少しばかり萌え始めた頃から始ります。
「田鶴や、此方だよ、それ、危ない」
お姫様ともあろうものが、十幾人の腰元に立ち交って、ほのかに緑がかって来た芝生の上で盲目鬼の遊びに夢中でした。
腰元達は若くて元気で、お主の京姫に劣らず健康でした。中には振袖を背中に結んだの、あられもない裾を高々端折ったのも交って、花籠をブチまけたような騒ぎです。芝生の上には若い女のいきれが陽炎のように立って、生温かい午後の陽ざしに、人も花も、木も石も酔いしれるよう。