Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.033 caratteri · 22 schermate
「笠森笠森と仰しゃるが、あの河馬のような男は、一体あなたの為にはなんです」
「構わないで下さい、河馬でも豚の子でも、私は大好きなんです、笠森さんは私の命の親で、そして私の恋人なんです」
植込みの中では当の笠森仙太郎は、思いもよらぬ窓の中の事件の発展に仰天して、例のカフスボタンを嘗めながら化石したように、じっとしておりました。
「よし、それではあなたはお父様の破滅もB興業の破滅も承知の上で、この丹波丹六を恥かしめるのですね」
「女の真情の前に、会社の一つや二つはなんです。サあ、帰って下さい、私は貴方の奸策を皆んな父に話して笠森さんを呼戻さなければなりません」
「これ程まで云っても」
「帰って下さい」
美奈子は毅然として丹波丹六を峻拒したのです。明るい電灯の灯を満面に浴びて卓を隔てた二人、もうそれは恋人でも許婚でもなく、血を見なければ止まぬ敵同士です。
「そうまで云われるなら、私にも覚悟がありますよ」
「あッ」
美奈子が驚いたのも無理はありません。丹波丹六は拳銃を取出して、ピタリと美奈子の胸を狙いながら、不気味な笑いをニヤリと笑うのです。
その時、笠森仙太郎は、窓のところに近寄って、幸い窓に背を向けた丹波丹六のうしろから突嗟の間に這い上りました。