Classici giapponesi con furigana
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
Leggi 契りきぬ (ちぎりきぬ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.757 caratteri · 66 schermate
あっちのほうはおれがきれいにしてある。それを見て、見たらそれも焼いてしまうがいい」
おなつにはその言葉の意味がすぐにはわからなかった。そして、彼に促されてその紙を取って見て、それが『みよし』における自分の年季証文であることを知ると、さっと蒼くなり、思わず叫びごえをあげた。
「わかったね、なつ――説明は要らないだろう、あの女あるじはおまえが失踪したものと信じている、衣巻たちもおまえがあの家にいたことは知らない……これまでのことはすべて終ったんだ、これからなつの新しい日が始まるんだ、わかるだろう」
「――いいえ、いいえわたくし」
「いやなにも云うことはない、二人のあいだにはもう言葉などは要らないんだ、――なつこっちへ来てごらん」精之助はこう云って立った。そうしておなつを仏間へみちびいていき、そこの仏壇の脇に掛けてある二幅の画像をみせた。――経机の上に蝋燭が短くなって、却って明るく焔を立てていた。画像の一は侍、一は婦人である。麻裃を着た男のほうは三十四五にみえるが、婦人はずっと若く、娘のようなういういしい面ざしをしていた。
「父と母だ」精之助は心のこもった声で云った。