Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじんぶつ

好人物

佐々木 邦

Leggi 好人物 (こうじんぶつ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.609 caratteri · 107 schermate

Aozora Bunko

「如何でございましょう」

と夫人は顎でしゃくった。

「これこそ思いつきでございますわ。女続きのところへ男のお子さんで大喜びのところですからね」

と安子夫人も無論大賛成で、兎に角際物という方針が立った。

「お幟なぞはもう屹度お求めになったでしょうし……」

「金太郎も月並みね」

「まあ/\、皆ナカ/\値が張りますね」

「鍾馗は宜いわ。些っと似ていますわ。矢っ張り高いわ」

「太刀が一番恰好よ」

と見て歩いている中に離れ/″\になってしまったが、少時すると内藤夫人は、

「奥さま! 一寸々々」

と何か大発見でもしたように呼んだ。安子さんが人を分けるようにして近寄ると、

「これ如何でしょう?」

「まあ! 怖いようね」

と安子夫人が眺め入ったのは鵺退治の人形だった。弓を持った頼政が傍に控え、猪早太が矢を負った怪物を押えつけて短刀を振り翳している。

「猿虎蛇は穿っているじゃありませんか?」

「成程、猿虎蛇ですわね」

「退治するところですから利いていますわ。あんな謡曲を教えて戴く面当ての意味にもなって、お礼にはこれに限りますわ」

「ホヽヽヽヽ、奥さまも随分ね」

「あら、ひどいわ。猿虎蛇の声だと仰有ったソモ/\の発頭人はあなたでございますよ」