Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うばすて

姥捨

太宰 治

Leggi 姥捨 (うばすて) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.853 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

向い合って席に落ちついてから、ふたりはかすかに笑った。

「ね、あたし、こんな恰好をして、おばさん変に思わないかしら。」

「かまわないさ。ふたりで浅草へ活動見にいってその帰りに主人がよっぱらって、水上のおばさんとこに行こうってきかないから、そのまま来ましたって言えば、それでいい。」

「それも、そうね。」けろっとしていた。

すぐ、また言い出す。

「おばさん、おどろくでしょうね。」汽車が発車するまでは、やはり落ちつかぬ様子であった。

「よろこぶだろう。きっと。」発車した。かず枝は、ふっとこわばった顔になりきょろとプラットフォームを横目で見て、これでおしまいだ。度胸が出たのか、膝の風呂敷包をほどいて雑誌を取り出し、ペエジを繰った。

嘉七は、脚がだるく、胸だけ不快にわくわくして、薬を飲むような気持でウイスキイを口のみした。

金があれば、なにも、この女を死なせなくてもいいのだ。相手の、あの男が、もすこしはっきりした男だったら、これはまた別な形も執れるのだ。見ちゃ居られぬ。この女の自殺は、意味がない。

「おい、私は、いい子かね。」だしぬけに嘉七は、言い出した。「自分ばかり、いい子になろうと、しているのかね。