Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
」
と婀娜な涙声になって、
「羽織が無いから日中は出られない、と拗ねたように云うのがねえ、どんなに嬉しそうだったでしょう。それに土地馴れないのに、臆病な妓ですから、早瀬さんがこうやって留守にしていなさいます、今頃は、どんなに心細がって、戸に附着いて、土間に立って、帰りを待っているか知れません、私あそれを思うと……」
と空色の、瞼を染めて、浅く圧えた襦袢の袖口。月に露添う顔を見て、主税もはらはらと落涙する。
「世迷言を言うなよ。」
と膠もなく、虞氏が涙を斥けて、
「早瀬どうだ、分れるか。」
「行処もございません、仕様が無いんでございますから、先生さえ、お見免し下さいますれば、私の外聞や、そんな事は。世間体なんぞ。」と半云って唾が乾く。
「いや、不可ん、許しやしないよ。」
「そう仰有って下さいますのも、世間を思って下さいますからでございます。もう、私は、自分だけでは、決心をいたしまして、世間には、随分一人前の腕を持っていながら、財産を当に婿養子になりましたり、汝が勝手に嫁にすると申して、人の娘の体格検査を望みましたり、」
と赫となって、この時やや血の色が眉宇に浮んだ。