Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
「やあ、はははは、失敬。」
と英吉大照れになって、後ざまに退って(おお、神よ。)と云いそうな態になり、
「お遊びにいらっしゃい、妹たちが、学校は違いますが、皆貴女を知っているのですよ。はあ……」
と独で頷いて、大廻りに卓子の端を廻って、どたりと、腹這いになるまでに、拡げた新聞の上へ乗懸って、
「何を話していたのだい。」
教頭をちょいと見れば、閑耕は額で睨めつけ、苦き顔して、その行過を躾めながら、
「実は、今、酒井さんに忠告をしている処だ。」
お妙は色をまた染めた。
「そうだとも! ええ、酒井さん……」
黙っているから、
「酒井さん!」
「ははい、」と声がふるえて聞える。
「貴娘知らんのならお聞きなさい。頃日の事ですが、今も云った、坂田礼之進氏が、両国行の電車で、百円ばかり攫徒に掏られたです。取られたと思うと、気が着いて、直に其奴を引掴えて、車掌とで引摺下ろしたまでは、恐入って冷却していたその攫徒がだね、たちまち烈火のごとくに猛り出して、坂田氏をなぐった騒ぎだ。」
「撲られたってなあ、大人、気の毒だったよ。」
「災難とも。で、何です。巡査が来たけれども、何の証拠も挙らんもんで、その場はそれッきりで、坂田氏は何の事はない、打たれ損の形だったんだね。