Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

実はな、かような事は、打明けて申せば、貴下より御令室の御意向が主でごわりまするで、その御言葉一ツが、いかがの極まりまする処で、推着けがましゅうごわりますが、英吉君の母も、この御返事……と申しまするより、むしろ黄道吉日をば待ちまして、唯今もって、東京に逗留いたしておりまする次第で。はあ。御令室の御言葉一ツで、」

と、意気込んで、スーと忙しく啜って、

「何か、私までも、それを承りまするに就いて、このな、胸が轟くでごわりまするが、」

と熟と見据えると、酒井は半ば目を閉じながら、

「他ならぬ先生の御口添じゃあるし、伺った通りで、河野さんの方も申分も無い御家です。実際、願ってもない良縁で、もとよりかれこれ異存のある筈はありませんが、ただ不束な娘ですから、」

「いや、いや、」

と頭を掉って、大に発奮み、

「とんだ事でごわります、怪しかりませんな、河野英吉夫人を、不束などと御意なされますると、親御の貴下のお口でも、坂田礼之進聞棄てに相成りません、はははは。で、御承諾下さりますかな。」

「家内は大喜びで是非とも願いたいと言いますよ。」

時に襖に密と当った、柔な衣の気勢があった――それは次の座敷からで――先生の二階は、八畳と六畳二室で、その八畳の方が書斎であるが、ここに坂田と相対したのは、壇から上口の六畳の方。