Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

夫の理学士は、多年西洋に留学して、身は顕職にありながら純然たる学者肌で、無慾、恬淡、衣食ともに一向気にしない、無趣味と云うよりも無造作な、腹が空けば食べるので、寒ければ着るのであるから、ただその分量の多からんことを欲するのみ。たのでも、焼いたのでも、酢でも構わず。兵児帯でも、ズボンでも、羽織に紐が無くっても、更に差支えのない人物、人に逢っても挨拶ばかりで、容易に口も利かないくらい。その短を補うに、令夫人があって存する数か、菅子は極めて交際上手の、派手好で、話好で、遊びずきで、御馳走ずきで、世話ずきであるから、玄関に引きも切れない来客の名札は、新聞記者も、学生も、下役も、呉服屋も、絵師も、役者も、宗教家も、……悉く夫人の手に受取られて、偏にその指環の宝玉の光によって、名を輝かし得ると聞く。

四

五円包んで恵むのもあれば、ビイルを飲ませて帰すのもあり、連れて出て、見物をさせるのもあるし、音楽会へ行く約束をするのもあれば、慈善市の相談をするのもある。飽かず、倦まず、撓まないで、客に接して、いずれもをして随喜渇仰せしむる妙を得ていて、加うるにその目がまた古今の能弁であることは、ここに一目見て主税も知った。