Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
「お師匠さんでなくっても可いんです。お弟子さんがお在なら、ちょいと結んで下さいな。」
縋って頼むように仇なく云って、しっかり格子に掴まって、差覗きながら、
「小母さんでも可いわ。」
我を(小母さん)にして髪を結って、と云われたので、我ながら忘れたように、心から美しい笑顔になって、
「貴嬢、まあ、どちらから。あの、御近所でいらっしゃいますか。」
「いいえ、遠いのよ。」
「お遠うございますか。」
「本郷だわ。」
「ええ、」
「私ねえ、本郷のねえ、酒井と云うの。」
「お嬢様、まあ、」
と土間に一足おろしさまに、小芳は、急いで框から開ける手が、戸に掴まったお妙の指を、中から圧えたのも気が附かぬか、駒下駄の先を、逆に半分踏まえて、片褄蹴出しのみだれさえ、忘れたように瞻って、
「お妙様。」
「小母さんは、早瀬さんの……あの……お蔦さん?」
二十一
「いらっしゃいまし、」
と小芳が太く更まって、三指を突いた時、お妙は窮屈そうに六畳の上座へ直されていたのである。
「貴嬢、まあ、どうしてこんな処へ、たった御一人なんですか。途中で何かございませんでしたか、お暑かったでしょうのに。