Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
お前さんにゃ気の毒だ。さぞ御迷惑でございましょう。」
と丁寧に笑って言って、
「迷惑や気の毒を勘酌して巾着切が出来るものか。真人間でない者に、お前、道理を説いたって、義理を言って聞かしたって、巡査ほどにも恐くはねえから、言句なしに往生するさ。軍に負けた、と思えば可かろう。
掏摸の指で突いても、倒れるような石垣や、蟻で崩れる濛を穿って、河野の旗を立てていたって、はじまらねえ話じゃねえか。
お前さん、さぞ口惜かろう。打ちたくば打て、殺したくば殺しねえ、義理を知って死ぬような道理を知った己じゃねえが、嬢さんに上げた生命だから、その生命を棄てるので、お道さんや、お菅さんにも、言訳をするつもりだ。死んでも寂い事はねえ、女房が先へ行って待っていら。
お蔦と二人が、毒蛇になって、可愛いお妙さんを守護する覚悟よ。見ろ、あの竜宮に在る珠は、悪竜が絡い繞って、その器に非ずして濫りに近づく者があると、呪殺すと云うじゃないか。
呪詛われたんだ、呪詛われたんだ。お妙さんに指を差して、お前たちは呪詛われたんだ。」
と膝に手を置き、片面を、怪しきものの走るがごとく颯と暗くなった海に向けて、蝕ある凄き日の光に、水底のその悪竜の影に憧るる面色した時、隼の力の容貌は、かえって哲学者のごときものであった。