Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

様が御自分の、と聞いて、まあ、と呆れたように莞爾して、忍んで段を上って、上り口の次の室の三畳へ、欄干を擦って抜足で、両方へ開けた襖の蔭へ入ったのを、両人には気が付かずに居るのである。

と河野は自分には勢のない、聞くものには張合のない口吻で、

「だが、母さんが、」

「母様が何だ。母様が娶うんじゃあるまい、君が女房にするんじゃないか。いつでもその遣方だから、いや、縁談にかかったの、見合をしたの、としばしば聞かされるのが一々勘定はせんけれども、ざっと三十ぐらいあった。その内、君が、自分で断ったのは一ツもあるまい。皆母さんがこう云った。叔父さんが、ああだ、父さんが、それだ、と難癖を附けちゃ破談だ。

君の一家は、およそどのくらいな御門閥かは知らん。河野から縁談を申懸けられる天下の婦人は、いずれも恥辱を蒙るようで、かねて不快に堪えんのだ。

昔の国守大名が絵姿で捜せば知らず、そんな御註文に応ずるのが、ええ、河野、どこにだってあるものか。」

と果は歎息して云うのであった。河野は急に景気づいて、

「何、無いことはありゃしない。そりゃ有るよ。君、僕ン許の妹たちは、誰でもその註文に応ずるように仕立ててあるんだ。