Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate
そして、彼が振向いて見たりすると、ええ、ぼくはここにいますよ、心配しないで下さい、大丈夫ですよ、という意志を教えようとするような眼つきをし、もっと大きく尻尾を振る。――彼はごくたまにしか声をかけない。振返って仔犬を見るときには、なんともいいようのない表情が顔にあらわれる。それはなにか話しかけたいようでもあるし、話しかけても相手には聞えない、ということを知って、「かなしいな」と呟くようでもあった。
きみ、子供をどうしたんだ。死んだ子供をきみはどうしたんだ。あの子のことは思いださないのか、もう忘れてしまったのか。きみのために残飯貰いをし、それをあたためて食事の支度をし、きみのでまかせな話、なんの役にも立たない非現実的な話を、いやがりもせずに聞いたり、雨に濡れるのも構わず、いつもきみといっしょにあるきまわり、きみのために休みなく気を使っていたあの、幼い子のことを哀れだったと思いだしてやりさえもしないのか。きみ、いったいあの子をどうしたんだ。
「たいしたことはないな」彼はあるき続けながら、声を高めて云う、「どっちにしろたいした違いはないんだな、五十歩と百歩じゃあずいぶん大きなひらきだけどさ、でも世間じゃあ五十歩百歩と同じくらいに云ってさ、自分の問題となれば九十歩と百歩でも、相当むずかしく考えるだろうけれど、それにしても