Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

がんもどき

「とうちゃんだ」と云って次郎が手をあげ、次に太郎、続いて四郎、花子が「とうちゃん」と云って手をあげた。梅子は話がよくのみこめなかったのだろう、みんなの顔を眺めまわしてから「あたいはねえちゃん」と云って花子を指さし、みんなが笑いだした。

「本当の親か、本当の子かなんてことはね、誰にもわかりゃしないんだよ」良太郎は仕事に戻りながら、いかにもやわらかに云った、「お互いにこれが自分のとうちゃんだ、これはおれの子だって、しんから底から思えればそれが本当の親子なのさ、もしもこんどまたそんなことを云う者がいたら、おまえたちのほうからきき返してごらん、――おまえはどうなんだって」

返辞のできる者がいたらおめにかかるよ、と云って良太郎はごくぼその針金をきゅっと緊めた。太郎は黙ってつやだしをしていた。

がんもどき

かつ子は十五歳になる。同じとしごろの少女に比べると、背丈も低いし肉付きも悪く、胸も平べったいし腰も細かった。肌はつやのない茶色で、きめが荒く、腕や脛にはかなり濃い生毛が伸びていた。――きりょうもよくはない、どこがどうとはいえないが、ぜんたいとして少女らしい新鮮さがなく、生活の苦しさをつぶさに経験した中年の女、といったような印象がつよかった。