Classici giapponesi con furigana
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あんごしたん
安吾史譚
Leggi 安吾史譚 (あんごしたん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.437 caratteri · 27 schermate
この方を皇太子に押したのが恵美の押勝で、新太子の夫人は彼の娘であった。
恵美の押勝は藤原南家の生れだが、他の藤原一門をおとしいれて己れのみ特に信任を博し、女帝の威をかりて専横をほしいままにしたのである。特に彼が敵にまわして専横をほしいままにしたのは、己れの同族たる藤原一族に対してであった。なぜなら、自分の一族ほど天皇の信任を博し易いものはなかったからである。
そこで彼は同族の藤原貴族を一丸として敵に廻すに至ったが、彼が己れの実兄や一族をおとしいれた陰謀といっても、決して手のこんだものではなく、むしろ無策でガムシャラで、ただもう威張りたい一方の頭の良くないお人よしの田舎育ちの大臣の策という泥くさ手段が多いのである。
しかるに彼が敵に廻した藤原貴族は如何? その陰謀は細心周到をきわめてよほどでないと一滴の水もこぼさぬという怖るべき策師たちであった。
私はここにも女帝の叡智を見るのである。童貞童女の鋭いカンを見るのである。
恵美の押勝は女帝の寵に威をかりる威張り屋で、自分の安泰のために兄や一族をおとしいれても、とにかく他の藤原一族にくらべると、お人よしで、どこか間がぬけたところがあった。