Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あんごこうだん

安吾巷談

坂口 安吾

Leggi 安吾巷談 (あんごこうだん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.211 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

しかし、中毒するほど、のんでみると、この薬の作用が、人を中毒にさそうような要素を含んでいることが分ってくる。

田中英光はムチャクチャで、催眠剤を、はじめから、ねむるためではなく、酒の酔いを早く利かせるために用いていた。この男の苦心は察するに余りがある。あれぐらいの大酒飲みは、いくら稼いでも飲み代に足りないから、いかにして早く酔うかという研究が人生の大事となるのである。この男は乱世の豪傑のシンボルで、どれぐらい酒を飲んだか、ということが分らないと、彼の悲痛な心事は分らないようだ。

この男が、二年ほど前、私が熱海で仕事をしていたとき、女の子をつれて遊びに来て、三日泊って行ったことがある。

朝、一しょにのむ。私が一睡りして目をさますと、彼は私の枕元で、まだ飲んでいる。仕方がないから、私も一風呂あびてきて、また相手をすると、酔っ払って、ねむくなる。又、ねむる。目をさますと、もう、とっぷり夜になっていて、私の枕元では、益々酒宴はタケナワとなっているのを発見するのである。仕方がないから、また相手になって、ねむたくなって、

「オイ、もう、とてもダメだから、君は君の部屋へひきあげて、のんでくれよ」