Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
「小泉君、これは未だ御覧なさらないんでしょう。中村に何か旅で読む物はないかッて、聞いたら、これを貸してくれました。その葉書の入ってるところまで、読んでみたんです――それじゃ御土産がわりに置いて行きましょう――葉書は入れといてくれ給え」
記者もその書籍を手に取って見た。「私のように仕事にばかり追われてるんじゃ仕様が有りません。すこし静かな処へ引込んで、こういう物を読む暇が有ったら、と思います」
西は記者の横顔を眺めた。
記者は嘆息して、三吉の方を見た。「貴方なぞは仕事を成さる時に、何かこう自然から借金でも有って、日常それを返さなけりゃ成らない、と責められて、否応なしに成さるようなことは有りませんか――私はね、それで苦しくって堪りません。自分が何か為なければ成らない、と心で責められて、それで仕方なしに仕事を為ているんです。仕事を為ないではいられない。為れば苦しい。ですから――ああああ、毎日々々、彼方是方と馳ずり廻って新聞を書くのかナア――そんなことをして、この生涯が何に成る――とまあ思うんです」
「そりゃあ君、確かに新聞記者なぞを為ている故だよ」と西が横槍を入れた。