Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
その次の長火鉢の置いてある部屋は勝手に続いて、そこには嫂のお倉と二十ばかりに成る下女とが出たり入ったりして働いている。突当りの窓の外は直ぐ細い路地で、簾越しに隣の家の側面も見える。
夕飯時に近かった。実は長火鉢の側に膳を控えて、先ずオシキセをやりながら、三吉から橋本の家の様子を簡単に聴取った。
「木曾の姉さんからの御土産です」
とお倉はオズオズとした調子で言って、三吉が持って来た蜂の子の煎付けたのを皿に載せて出した。
実が家長としての威厳は何時までも変らなかった。彼は、家の外では極めて円滑な人として通っていたが、家の者に対っては厳格過ぎる位。丁度往時故郷の広い楽しい炉辺で、ややもすると嫌味なことを言う老祖母さんを前に置いて、碌々口も利かずに食った若夫婦の時代と同じように、何時まで経ってもそう打解けた様子を妻に見せなかった。
「お種さんも御変りは御座いませんか」
こうお倉は三吉に尋ねながら、弟や娘の為にも膳を用意した。
宗蔵は三吉と相対に胡坐にやった。「どうも胡坐をかかないと、食ったような気がしないネ――へえ、久し振で田舎の御馳走に成るかナ」
こんなことを言って、細く瘠せた左の手で肉叉や匙を持添えながら食った。