Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Leggi 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.259 caratteri · 222 schermate
――ところで、近世の百面相では、なんといっても、先代の松柳亭鶴枝だった。あのてかてかにあたまの禿げた、福々しい顔つきの鶴枝はまったく、覚えての上手だった。少し病的だと気になるくらい声がしわがれていた。――一番巧いのはなんといっても、ステッセル将軍だった。それから青い服を着た露助が、撃沈された軍艦で、手をあげて救いを求めている、その絵画的に巧みなポーズも私は今に忘れられない。桃太郎の誕生場をやると、仲見世の何とかいう、今の天勇のもう一つ向こうの通りの勧工場に、永らくかざられてあった活人形にそっくりだった。まったくあれの再来かと疑われた。それからぴか一の景物は、なんといっても蛸! である。桃色の手拭いであたまをつつんで、それから豆絞りの鉢巻きをして、すててこにあわせて踊る蛸入道は、涙ぐましき見ものであった。今の鶴枝もやるけれど、これだけは、到底、ものがちがう。段がちがう。今の鶴枝のでは、ことに、手のふるわせ具合がはなはだ幼稚でお座がさめる。――だが、あの好々爺の先の鶴枝がついには気が狂って死んだかと思うと、私は今も耳にのこる、あの一番芸の終わるたびに、なんと思いきりよくぱちんぱちんと叩いてみせた鶴枝のあたまの音さえも、そぞろ無気味にどこからか聞こえてきてならない。