Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とみおかせんせい

富岡先生

国木田 独歩

Leggi 富岡先生 (とみおかせんせい) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.282 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

その後五日経って、村長は午後二時頃富岡老人を訪う積りでその門まで来た。そうすると先生の声で

「馬鹿者! 貴様まで大馬鹿になったか? 何が可笑しいのだ、大馬鹿者!」

と例の大声で罵るのが手に取るように聞えた。村長は驚いて誰が叱咤られるのかとそのまま足を停めて聞耳を聳てていると、内から老僕倉蔵がそっと出て来た。

「オイ倉蔵、誰だな今怒鳴られているのは?」村長は私語いた。倉蔵は手を以てこれを止めて、村長の耳の傍に口をつけて、

「お嬢様が叱咤られているのだ」

「エッお梅嬢が※(疑問符感嘆符、1-8-77)」と村長は眼を開瞳った。その筈で、梅子は殆ど富岡老人に従来一言たりとも叱咤れたことはない。梅子に対してはさすがの老先生も全然子供のようで、その父子の間の如何にも平穏にして情愛こまかなるを見る時は富岡先生実に別人のようだと誰しも思っていた位。

「マアどうして?」村長は驚ろいて訊ねた。

「どうしてか知らんが今度東京から帰って来てからというものは、毎日酒ばかり呑んでいて、今まで御嬢様にはあんなに優しかった老先生がこの二三日はちょっとしたことにも大きな声をして怒鳴るようにならしゃっただ、私も手の着けようがないので困っていたとこで御座りますよ」