Classici giapponesi con furigana
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さむさ
寒さ
Leggi 寒さ (さむさ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3972 caratteri · 8 schermate
けれどもたまに明いていたと思うと、ちゃんともう約定済みになっているんですからね。」
「僕の方じゃいけないですか? 毎日学校へ通うのに汽車へ乗るのさえかまわなければ。」
「あなたの方じゃ少し遠すぎるんです。あの辺は借家もあるそうですね、家内はあの辺を希望しているんですが――おや、堀川さん。靴が焦げやしませんか?」
保吉の靴はいつのまにかストオヴの胴に触れていたと見え、革の焦げる臭気と共にもやもや水蒸気を昇らせていた。
「それも君、やっぱり伝熱作用だよ。」
宮本は眼鏡を拭いながら、覚束ない近眼の額ごしににやりと保吉へ笑いかけた。
× × ×
それから四五日たった後、――ある霜曇りの朝だった。保吉は汽車を捉えるため、ある避暑地の町はずれを一生懸命に急いでいた。路の右は麦畑、左は汽車の線路のある二間ばかりの堤だった。人っ子一人いない麦畑はかすかな物音に充ち満ちていた。それは誰か麦の間を歩いている音としか思われなかった、しかし事実は打ち返された土の下にある霜柱のおのずから崩れる音らしかった。
その内に八時の上り列車は長い汽笛を鳴らしながら、余り速力を早めずに堤の上を通り越した。