Classici giapponesi con furigana
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さむはし
寒橋
山本 周五郎
Leggi 寒橋 (さむはし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.416 caratteri · 36 schermate
してやれ、夫婦のあいだのまちがいは、お互いに堪忍しあい、お互いに劬り、助けあってゆかなくちゃならない、それが夫婦というものなんだよ」
父の言葉をはっきり聞きとめようとしながら、お孝はもう幸福とよろこびで頭がいっぱいになり、躯が溶けるような思いで泣き続けた。
「――約束だから、この話は、おまえの胸ひとつにしまっておいて呉れ、……みんながそのつもりでいるんだから、時三にも云っちゃあいけない、わかったな」
伊兵衛はこう念を押して口をつぐんだ。
それからほんの僅かして医者が来た。けれども手当てにかかる暇もなく、また大量な吐血があり、昏睡状態になって、日本橋のほうの蘭方医を呼ぼうと、使いを出してまもなく、伊兵衛は昏睡したままついに息をひきとった。
三七日が済むまでは、お孝は身も心も自分のもののようではなかった。時三が心配して、坐っていればいい、なにもするなと庇って呉れ、じっさいまたそう働くこともなかった。それでいて絶えず追いたてられるように、そわそわとおちつかず、夜も熟睡することができなかった。
「そんなことはないよ、ゆうべなんか鼾をかいて眠ってたぜ、私が二度も起きたのを知らないだろう」