Classici giapponesi con furigana
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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第三巻 (からすうりのはなとが) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.804 caratteri · 425 schermate
しかるに鉢の底面からは相当離れた所に固定しているコップは不動であるから、そこで相互間の週期的の摩擦運動が起こり、そのためにちょうど弓でクラドニ板をこする場合に似た事がらが生ずるのであるらしい。さてこれだけならば問題ははなはだ平凡であるが、ここで問題になるのは、右のような条件が具備した時でも必ずしもきれいな音響を出さぬ場合と、また非常によく鳴る場合とがあることである。
古い物理書などに書いてあるとおりガラスのフィンガーボールの縁を指頭で摩擦して楽音を発せしめる場合に、指を水でぬらしておいて摩擦する事になっているが、現在の場合でも接触面が水でぬれている事が必要条件であるらしく見える。これも充分に実験を重ねた上でなければ断言はできないが、これまでの経験ではそう思われる。しかし次に起こって来る問題は、単に水でぬれているだけでそれで充分であるかどうかということである。
近年のいわゆる「表面化学」の発達によって次第に明らかになって来たとおり、固体ことにガラスや陶器などの表面にはガスのみならずある種類の液体や固体の薄膜を頑固に付着せしめる性質がある。そうして、普通人間の手に触れる物体は自然に油脂類のそういう皮膜でおおわれていて、それを完全に除去するのはなかなか容易でない事が知られている。