Classici giapponesi con furigana
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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第二巻 (えいがじだい) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 207.099 caratteri · 419 schermate
全くこのごろは化け物どもがあまりにいなくなり過ぎた感がある。
今の子供らがおとぎ話の中の化け物に対する感じはほとんどただ空想的な滑稽味あるいは怪奇味だけであって、われわれの子供時代に感じさせられたように頭の頂上から足の爪先まで突き抜けるような鋭い神秘の感じはなくなったらしく見える。
これはいったいどちらが子供らにとって幸福であるか、どちらが子供らの教育上有利であるか、これも存外多くの学校の先生の信ずるごとくに簡単な問題ではないかもしれない。
西洋のおとぎ話に「ゾッとする」とはどんな事か知りたいというばか者があってわざわざ化け物屋敷へ探険に出かける話があるが、あの話を聞いてあの豪傑をうらやましいと感ずべきか、あるいはかわいそうと感ずべきか、これも疑問である。
ともかくも「ゾッとする事」を知らないような豪傑が、かりに科学者になったとしたら、まずあまりたいした仕事はできそうにも思われない。
しあわせな事にわれわれの少年時代の田舎にはまだまだ化け物がたくさんに生き残っていて、そしてそのおかげでわれわれは充分な「化け物教育」を受ける事ができたのである。
郷里の家の長屋に重兵衛さんという老人がいて、毎晩晩酌の肴に近所の子供らを膳の向かいにすわらせて、生のにんにくをぼりぼりかじりながらうまそうに熱い杯をなめては数限りもない化け物