Classici giapponesi con furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate
自分の夢の実現される日が近づいたような喜びを感じないわけには行かない。
それにしてもいもりの黒焼きの効果だけは当分のところ、物理学化学生理学の領域を超越した幽遠の外野に属する研究題目であろうと思われる。もっとも蝶のある種類たとえば Amauris psyttalea の雄などはその尾部に備えた小さな袋から一種特別な細かい粉を振り落としながら雌の頭上を飛び回って、その粉の魅力によって雌の興奮を誘発するそうである。
百年の後を恐れる人には「いもりの黒焼き」でもうっかりは笑えないかもしれない。
(昭和十年二月、中央公論)
九 歯
父は四十余歳ですでに総入れ歯をしたそうである。総入れ歯の準備として、生き残った若干の歯を一度に抜いてしまったそのあとで顔じゅうふくれ上がって幾日も呻吟をつづけたのだそうである。歯科医術のまだ幼稚な明治十年代のことであるからずいぶん乱暴な荒療治であったことと想像される。
自分も、親譲りというのか、子供の時分から歯性が悪くてむし歯の痛みに苦しめられつづけて来た。十歳ぐらいのころ初めて歯医者の手術椅子一名拷問椅子(torture-chair)にのせられたとき、痛くないという約束のが飛び上がるほど痛くて、おまけにそのあとの痛みが手術前の痛みに数倍して持続したので、子供心にひどく腹が立っ