Classici giapponesi con furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate
そうして天気が悪くて相手の山頂三角点が見えなければ、幾日でもそれが見えるまで待っていなければならない。関東震災後の復旧測量では毛無山頂上で二十八日間がんばって天城山の頭を出すのを今か今かと待っていた人がある。古いレコードでは七十日というのさえある。
測量を始める前にはまず第一に三角点の位置を選定する選点作業が必要である。深山の峰から峰と一つ一つ登って行ってはそこから百キロ以内の他の高峰との見透しを調べて歩くのである。一点を決定するのに平均二週間はかかる。そうして三角点の配布が決定したら、次にはそこに櫓を組む造標作業がある。場所によっては遠い下のほうから材木を引き上げなければならず、また見透しの邪魔になる樹木を切らなければならない。これにも一点に約二週間はかかる。
櫓ができたら少なくも一年は放置して構造の狂いを充分に落ち着かせてからいよいよ観測にかかる。一点における観測作業に天気がよくても二週間ぐらいはかかる。技師一人技手一人と測量人夫六名ないし十名ぐらいの一行でテント生活をする。場所によっては水くみだけでもなかなかの大仕事である。食料は米味噌、そのほかに若布切り干し塩ざかななどはぜいたくなほうで、罐詰などはほとんど持たない。