Classici giapponesi con furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate
「それから船便を求めてあてのない極東の旅を思い立ったが、乗り組んだ船の中にはもうちゃんと一人スパイらしいのが乗っていて、明け暮れに自分を監視しているように思われた。日本へ来ても箱根までこの影のような男がつきまとって来たが、お前のおかげでここへ来てから、やっとその追跡からのがれたようである。しかしいつまでのがれられるかそれはわからない。」
「これだけの事を一度だれかに話したいと思っていたが、きょう君にそれを話してこれでやっと気が楽になった。」
ゆっくりゆっくり一句一句切って話したので、これだけ話すのにたぶん一時間以上もかかったかと思う。話してしまってから、さもがっかりしたように枕によりかかったまま目をねむって黙ってしまったので、長座は悪いだろうと思って遠慮してすぐに帰って来た。
翌朝P教室へ出勤するとまもなくS軒から電話でB教授に事変が起こったからすぐ来てくれとの事である。急病でも起こったらしいような口ぶりなので、まず取りあえずN教授に話をして医科のM教授を同伴してもらう事を頼んでおいて急いでS軒に駆けつけた。
ボーイがけさ部屋をいくらたたいても返事がないから合いかぎでドアを明けてはいってみると、もうすでに息が絶えているらしいので、急いで警察に知らせると同時に大学の自分のところへ電話をかけたということである