Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちいさいこども

小さい子供

宮本 百合子

Leggi 小さい子供 (ちいさいこども) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3487 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

先にいつだったか私と一緒に来た時もそうでしたが、多勢人が居て、ガヤガヤして居る時には只はしゃぎ廻って、私が止めるのをわざと写生をして居る人の顔をのぞきに行ったり、息を切らして下らない、

「お馬鹿三太郎

だの何だのと云っては兄達をおっかけて運動は充分つきますけれ共、草が奇麗だと大して思うでもなくワアワアと帰る頃にはヘトヘトになって、不機嫌で仕舞うのがおきまりです。

決して今日の様に枯れ枝を、

「可哀そうにお爺さんの木や。

などと云ったり草の芽生えを気づいて立派に生えてる等とは云った事がないのです。

そんな風で帰るまで凡そ二時間もの間、育ちかけの芽生えのお話やら空を飛んで行く鳥のお話やら、非常に子供らしいそれで居てなかなか利口な話をしつづけて居ました。

私共には只安らけさと歓び位ほか与えなかった彼の景色もまだ満八つにもならない驚き易い子供の頭にはどれ程の感激を与えたのか知れません。

私は私が数え年で七つの年、今は居ませんけれ共叔父に連れられて始めて――ほんとに生れて始めて人の家や、汽車やらを下に見下す道灌山のわきの草原に行った時の恐怖と物珍らしさの入れ混った、自分でどうして好いか分らなかった混乱した気持を、呆んやりとかすかに思い出して居ました。