Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
「たわけっ。なにを言うのじゃ! 人が集って来るわっ。放せ! 放せ!」
「いいえ! 死んだとてこの靴は放しませぬ! どうせ嘘とは思いましたけれど、とうとう悲しい目に会いましたゆえ、もしや、もしや、ときょうまで待っておりましたのに、それを、それを、嘘つき! 人でなし! いいえ! いいえ! そればかりではありませぬ。あの人を、新兵衛さままでをも、なんの罪もないのに、あんなむごい目に会わして、お役人に、お牢屋に引っ立てなくともいいではありませぬか! お可哀そうに、あんな負けた人までも、世の中に負けた人まで引っくくって、放しませぬ! ご前さまが、このお雪に詫びるまでは放しませぬ!」
「馬鹿めがっ。わしが新兵衛のことなぞ知るものか! あやつが刀なぞ引き抜いて、あばれに来たゆえ、くくられたのじゃ! 退けっ。退けっ」
「いいえ! たとえこの身が八ツ裂きになりましょうとも退きませぬ! 道へお集りのみなさまもきいて下さいまし! このご前は、この嘘つきのご前さまは――」
「まだ言うかっ」
お雪の叫びよりも、いつのまにか黒集りに駈け集った人の耳が恐ろしかったものか、パッと有朋が大きくひとゆり馬上の身体をゆり動かしたかと思うと、お雪の白い顔が、なにか赤いものを噴きあげて、のけぞるように馬の下へころがった。