Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
二月前の去年十一月八日、疑問の憤死を遂げたために、流布憶説まちまちだった。対馬守の進取的な開港主義が度を越えているとなして憤死したと言う説、外国奉行であり乍ら実際は攘夷論者であったがゆえに、任を負いかねて屠腹したと言う説、それらのいろいろの憶説の中にあって、最も広く流布されたものは、品川御殿山八万坪を無用の地との見地から、対馬守がこれを外国公使館の敷地に当てようとしたところ、織部正が江戸要害説を固執して肯じなかったために、怒って幽閉したのを憤おって自刃したと言う憶測だった。もしも堀家恩顧の家臣が恨みを抱いているとするなら、その幽閉に対する逆恨みに違いないのである。
「馬鹿なっ。大義も通らぬ奸徒達にむざむざこの首渡してなるものかっ。やらねばならぬ者がまだ沢山あろうぞ。早う行けっ」
お駕籠は揺れらしい揺れも見せないで、しずしずと坂下門にさしかかっていった。供揃いはたった十人。一面の洗い砂礫を敷きつめたその坂下御門前に行きついたのは、冬の陽の冷たい朝まだきの五ツ前である。
と見えた刹那――、轟然として銃音が耳をつんざいた。一緒に羽ばたきのような足音が殺到したかと思われるや、突然叫んで言った。