Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate

Aozora Bunko

それをお物見櫓の上から見おろし乍ら、悦ばしげに君侯の呼ばわり励ます声が、冴えざえと青白く冴えまさっている月の光の中を流れて伝わった。

「行けい!」

「行けい!」

「丹羽長国の名を恥かしめるでないぞ!」

「行けい!」

「行けい!」

「二本松藩士の名を穢すでないぞ!」

「行けい!」

「行けい!」

ききつつ二人が言った。

「御本懐そうよのう」

「御うれしげじゃのう」

言い乍ら、ふいと門七が思い当ったとみえて、ぞっとなったように身ぶるいさせ乍ら言った。

「あれじゃ! 千之! 崇ったぞ! あの怪談話したゆえの崇りに相違ないぞ!」

「のう! ……」

ガックリと首を垂れて、断末魔の迫って来た二人の目に、青白い月光の下を静かに流れ動いて行く二旒の白旗が大きな二本の歯のように映った……。