Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
はじき飛ばして、横になると、遠いところをでも見つめるように、まじまじと大きく目を見ひらいたまま、身じろぎもしなかった。
五
それっきり直人は、四日たっても、五日たっても起きなかった。
眠っているかと思うと、いつのぞいてみても、パチパチと大きく目をあいていて、ろくろくめしも摂らなかった。次第に小次郎たちふたりは、じりじりと焦り出したのである。
「どうするんですか。――隊長」
「…………」
「東京へ逃げるなら逃げる、西へ落ちるなら落ちるように早くお決め下さらんとわれわれふたり、度胸も据わらんですよ」
「勝手に据えたらよかろう」
「よかろうと仰有ったって、隊長がなんとかお覚悟を決めぬうちは、われわれ両人、どうにもならんこっちゃごわせんか。生死もともども、とろろもともども分けてすすろうと誓って来たんですからね。寝てばっかりいらっしゃるのは足の傷がおわるくなったんじゃごわせんか」
「どうだか知らん。ここも動かん……」
「動かんと仰有ったって、三年も五年もここに寝ていられるわけのもんじゃごわせんからね。逃げ出せるものならそのように、駄目ならまたそのように、はきはきとした覚悟を決めたいんですよ。